大腸がんを恐れない

2009年5月17日

 現在死因の一位はがんですが、中でも大腸がんの比率は高く、女性では一位となっています。大腸がん治療後の五年生存率は、早期がんの場合は100%です。リンパ節転移があると転移の広がりによって70%、60%と低下します。腹膜・肝臓・肺などに転移のある方でも四人に一人は五年以上生きられます。最近では普通の生活を送りながら、外来で抗がん剤の点滴を受ける外来化学療法が普及し、がんと共に生きる考えが広まっています。
 とはいえ、少しでも早く大腸がんを発見し、治療するに越したことはありません。
 大腸がんは国民の0.2%前後にみられますが、便潜血検査で陽性の方では3%と多くなります。便潜血検査の弱点は、早期がんの半数、進行がんで約10%が陰性になることです。
 このような問題はあっても、大規模調査では便潜血検査を受けた人は受けなかった人と比べ、大腸がんによる死亡が七割も減っていました。これは便潜血検査によって、より早期に発見し手術すると、治癒率が八~九割と良好になるためです。年1回は便潜血検査を受けることが推奨されています。
 便潜血検査で陽性になった方は大腸内視鏡検査を受けることで、がんを早い時期に発見できるようになります。大腸内視鏡検査は痛いといわれていますが、機器の進歩と技術の平準化でかなり楽になっています。便潜血検査で陽性でなくても、大腸がんを患っている血縁者がいる方なども三~五年に一回、大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。