手のキズの適切な処置

2015年12月20日

 救急絆創膏は、大変重宝で、小さいけがをするとつい使っていますが、便利なものには落とし穴がつきものです。
 救急絆創膏の内側には非固着性のガーゼが付いており、外面はプラスチック製の粘着テープになっています。密閉されていて外からの汚れはブロックされるように思えますが、粘着テープ部には小さな穴が多数開いていて、外の汚れは簡単に内側へ入ります。
 私たちは入浴の時や、トイレの後、掃除をしたときなど、しょっちゅう手を洗います。1日に手洗いを5~10回はしていて、石鹸も使います。その時救急絆創膏を付けていると、洗った汚れは内側のガーゼ部分に浸透しています。つまり汚れをガーゼに付けてキズに押しあてることになります。その結果皮膚はふやけて、キズは感染します。このような皮膚炎で来院される方は少なくありません。
 救急絆創膏を手に使うときは、手洗いをする度に新しくしなければなりませんが。より適切な処置があります。両極端の方法から選択します。
 一つは、普通のガーゼを用いる方法です。手洗いの時濡れたらガーゼを交換します。濡れなければ交換せずにすみます。
 もう一つは、完全にキズを密閉する近代的ドレッシング材を使う方法です。医療機関受診が必要ですが、市販品もあります。キズパワーパッドやフィルムドレッシング材(透明な薄い粘着フィルム)がそうです。しかし、キズを密閉する時には、守らなければならないことが二つあります。使う前にキズをよく洗ってゴミなどの異物を無くすことと、キズを毎日洗い新しいものに換えることです。
 キズの処置で分からないことがあれば、何でも聞いて下さい。