夜食は有害?

2004年12月19日

 いつでも十分に飲食できるようになったのは、ここ百年くらいのことでしょう。過酷な自然淘汰の名残で、私たちの体は食べられるときにはいっぱい食べ、余った栄養を脂肪として蓄えるようなつくりになっています。夜は動かないので、この脂肪への変換がより進むようになっています。これが体の日内リズムです。
 とはいえ、夜間は他の動物から襲われる可能性もあります。危険が生じ、すぐに逃げなければならないとき、すぐに使える栄養素はブドウ糖です。ですから私たちの体は夜間、血糖値が下がりにくい仕組みにもなっています。つまり、夜は血中の脂肪が上昇しやすいと同時に、血糖値は下がりにくいようになっているのです。この変化は、夜七時を境に始まると言われています。
 しかし人類の体は近年、夜遅く高栄養価の食べ物を自由に毎日摂れるようになったという革命的な事態に直面しています。
夜遅く食事をすると、肝臓では食べたものから脂肪やコレステロールがどんどん作られて身体に脂肪が蓄積し、高いコレステロール値が持続、高脂血症と肥満および脂肪肝へ一直線です。同時に夜間の血糖値は高めに維持され、朝御飯もまずくなってしまいます。まして糖尿病の人は、夜を通して高血糖が持続します。今や八人に一人が糖尿病になりうる状態であり、夜遅い食事は厳に慎むべきでしょう。受験生にも、夜遅くの高カロリーの食べ物は勧められません。