糖尿病でありがとう

2007年9月16日

 「糖尿病になると人生真っ暗。人生の楽しみ全てをあきらめ、仙人のような生活になる」と思っていませんか。糖尿病になるとしなければいけないことは、三食しっかり食べること。間食をしないこと。夜七時半以降はカロリーのある物は口にしないことです。夜遅くならなければお酒も飲めます。また毎日少しでも歩くこと。週一~二回はしっかり運動することです。そのうえで、ある人は薬を飲み、ある人はインスリン注射をする。で、これは楽しくない人生でしょうか。
 まもしこのようなことを糖尿病でない人が守らなければどうなるでしょう。夜十時過ぎにピザやラーメンを食べ、午前様でお酒を飲む。運動は全くしないで朝食を抜く。これでは血液データが正常でも病気になる可能性があります。実は、当たり前の生活をして楽しく元気に過ごすことが糖尿病の治療なのです。
 糖尿病以外の人はこの生活を守らなくても血液データに異常が出ず、突然病気になります。糖尿病の人はこの生活を守らないと、血液データ(HbA1c)が悪化してすぐ分かります。HbA1cを6.5以下、できれば5.8以下にコントロールすれば、百歳以上まで元気に生きることが出来ます。これって実は幸せではないでしょうか。だって生活の乱れがすぐに数値で分かるのですから。数値を良い値にするかしないかは自分の責任。自分が決めることです。
 自分で人生を決めるきっかけを作ってくれて、やっぱり「糖尿病でありがとう」と言えるのではないでしょうか。ちなみに糖尿病でもコントロールができていれば、月一回くらい完全に羽目を外しても影響はありません。無礼講を楽しめるのも糖尿病だから。やっぱり「糖尿病でありがとう」ではないでしょうか。