栄養ケア・ステーションを活用しよう

2016年5月22日

 高血圧や糖尿病、高脂血症などの治療の基本は生活の改善であり、中でも食事療法が最も重要であることは承知のことと思います。管理栄養士はその専門家で、病院で指導を受けられた方もいらっしゃると思いますが、食事療法は在宅でこそ必要なのです。
 日本栄養士会は食育活動の拠点として、2008年に全国48カ所に栄養ケア・ステーションを病院の外に開設しましたが、利用はなかなか進んでおりません。
 在宅では、通院が困難な高齢者や一人住まいの方での栄養状態悪化が指摘されています。また低栄養になると肺炎や床ずれの危険が高まることから、訪問栄養食事指導が有効とされているのの、在宅へ出る管理栄養士の数が圧倒的に少なく、したがって一般の方々にその有用性も認知されていないのが現状です。
 そこで、さらなる地域への密着をめざし、2015年より「認定栄養ケア・ステーション」の設置がモデル事業として始まりました。10年後は全国8400カ所への拡大が目標ですが、現時点では242カ所とのことです。
 当院では「栄養ケア・ステーション高岡EKINAN」を開設し、2カ月に1回、公開で介護食調理教室「たむらかなみのHAPPYクッキング」を開いています。またフリーの管理栄養士に訪問に必要な研修を行い、研修を終えた管理栄養士を施設や診療所へ非常勤として紹介し、在宅へ行ってもらう事業も始めました。管理栄養士の方には、栄養ケア・ステーションに登録し、必要な研修を受けていただけたらと願っております。
 「食」とは「人」が「良」くなると書きますが、いつまでも口から食べられる喜びは何事にも代え難いと思います。食の専門家である管理栄養士と一緒に、必要な栄養を含んだ好みの味の食事を、食べる能力に合わせつつ楽しくご自宅で試してみませんか。
 まず、かかりつけの先生に訪問栄養食事指導の相談をすると、かかりつけの先生からの依頼で栄養ケア・ステーションは管理栄養士を紹介し、かかりつけの先生の所から訪問栄養食事指導が始まります。