排便管理は全身管理

2011年5月15日

 便秘をしたら、すぐに下剤を飲んでよいのでしょうか。
 体の水分が不足すると便から水分を取り、便を硬くすることで脱水症状を防いでいます。この時、下剤で便に水分を与えると、脱水症状はさらに悪化します。下剤を安易に使わず、水分補給をしましょう。しかし緑茶やウーロン茶、コーヒーは利尿作用のあるカフェインを含むため、水分は体にたまらず尿として出ます。脱水予防には水や麦茶などがお勧めで、飲み方も1時間から1時間半に1回、こまめに取ります。
 次は、便の出し方です。便をしたくなった時に我慢すると、大腸が伸びて便意が無くなり、便も硬くなっていきます。後でトイレに行っても腸の動きは悪く、便は肛門へ降りてこないため、いきんで出すようになります。いきんで出す癖が付くと、すっきり感が減っていきます。さらに悪いことに、いきんで出す時に意識しないと肛門を閉じてしまうため、便は残り、痔もできやすくなります。
 上手にいきんで便を出すには、背中を丸くし、かつ前傾姿勢をとります。さらに肛門を緩めて、息を止めずに腹筋に力を入れるとスムースに便が出てきます。
 以上のことを行うには、精神的な余裕が必要です。生活を規則的にし、3食しっかり取って、おおらかに笑い、楽観的、行動的に過ごすことが大切です。
 便秘に対し下剤を単純に飲むという対応ではなく、全身、あるいは生活全体への対策が必要です。
 実は社会も同じで、家庭が変われば地域が変わり、地域が変われば日本や世界が変わります。社会全体を見ながら、自分が関われる範囲内のことを堅実に続けていくことが大切だと思います。