ストーマって何?

1999年11月14日

 ストーマとは癌(がん)や炎症・外傷などのため、おなかに作られた便や尿の出口のことです。俗に「人工肛門」とも呼びます。日本でストーマを作る手術は年間一万四千件くらいあり、ストーマを持つ人は九万人以上いると考えられています。ストーマを持つことで便や尿をスムーズに出せ、日常生活も普通に送れるようになります。
 ストーマから出る便や尿は、一般的に、おなかに付けた袋にためます。袋をおなかにつける技術は近年大変進歩し、入浴や激しい運動も可能になりました。ストーマ装具の使い方を指導する専門看護師も養成されています。
 しかし、ストーマ装具も万能ではなく、使いやすいストーマを作ることが大変重要です。なぜならストーマの位置や形が悪いと、便や尿漏れが起こりやすくなるからです。そのため、手術前にストーマの位置決めを行い、形も平坦ではなく突出したものを作ります。このように使いやすいストーマを作る努力は手術前から始まるのです。
 それでもいろいろな事情で、便や尿の漏れやすいストーマになってしまう場合があります。このようなとき専門看護師がいろいろと工夫して、何とか普通の社会生活ができるように指導します。
 手術で便や尿の排泄法が変わることは大変ショックなことですが、手術前から医師とよく話し合い、またストーマを持った後も専門の看護師のアドバイスを受けることが大切です。