胃内視鏡検査

 胃内視鏡検査は、胃や十二指腸・食道内にポリープ・胃炎・出血・憩室炎・腫瘍などがないかを直接観察することができるのが特徴です。さらに、胃炎や腫瘍があると”バイオプシー”といって組織の一部を取ってきて顕微鏡検査を行い、確実な診断を行うことが可能です。
 当院では、患者さんに苦痛の無い、いわゆる無痛検査を目指しています。そのためできるだけ細い内視鏡(9mm)を導入したのはもちろん、他にもさまざまな工夫をしています。これらのことによって内視鏡検査はかなり楽になっています。
 そうはいっても、胃の検査に強い不安をお持ちの方や、「以前胃の検査を受けた時つらい経験をして、もうこりごり」という方もいらっしゃるでしょう。このような方は軽度の鎮静剤を使用する方法もありますので職員に御相談ください。
 さらに最近の技術の進歩により、9mmのものと比べほとんど画質を落とさずに5mm径の内視鏡が開発されました。当初は画質的に劣り病変の見落としが懸念されましたが、2010年末には現在の大変優れたものが登場しました。当院では、この型の胃内視鏡を導入しております。5mm の内視鏡は、もはや口からの挿入の必要はなく、鼻の穴から十分に挿入できるようになりました。これを経鼻内視鏡と呼びます。
 経鼻内視鏡では、のどへの刺激が無く、検査中のつらさがほとんど無くなったため、もはや鎮静剤を使う必要が無くなりました。今まで口からの胃内視鏡検査が苦手だった方には最大の福音となりました。検査中も口がふさがっていないため、不安なことがあれば術者と会話しながら検査を行うことができます。
 以上のように、通常の口からの経口内視鏡検査以外に、経鼻内視鏡での検査を選択することもできます。是非内視鏡担当者にご相談ください。
 胃内視鏡検査は毎日行っていますが、待ち時間を少なくするためにできれば予約検査をお薦めいたします。御希望の方は看護師または受付にご相談下さい。
 当院における経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査の比較をご覧下さい。

利点 欠点
経口内視鏡検査
  • 画像がきれい
  • ポリープ切除や止血操作などの処置が必要になった場合、そのまま実施できる。
  • 丈夫にできている
  • 吐き気が生じやすい
  • 唾液が多く出てむせやすい
  • のどが痛くなることが多い
  • 鎮静剤を必要とする方が多い
経鼻内視鏡検査
  • 吐き気がほとんどみられない
  • 技術力により、画質が改善
  • 唾液がほとんどでない
  • のどが痛くなりにくい
  • 患者の苦痛がないため、ゆっくり検査ができる
  • 鎮静剤がいらない
  • ポリープ切除や止血操作・色素散布などの処置ができないため、これらが必要になった場合、経口内視鏡の挿入が必要になる
  • 検査時間がやや長くなる
  • 壊れやすい
  • 両方の鼻の穴が狭いとできないことがある
    (極めて稀)
 日本は世界一、胃がんが治りやすい国になりました。それは早期に発見されるからで、胃内視鏡検査の普及と関係があります。例えば、早期胃がんでは99%の治癒率(5年生…

大腸内視鏡検査

 日本においても食事など生活習慣の西欧化に伴い、病気も変化してきています。
特に癌ではかなりはっきりとした傾向がみられ、日本に特有であった胃癌の減少と反比例して、肺癌や乳癌が増えています。その中でも大腸癌の上昇が際立っています。
 さて、当院は1997年開業以来、全大腸の検査として大腸内視鏡検査を行っていますが、この度1997年8月より、2000年9月までの検査症例をまとめてみました。

当院大腸内視鏡検査結果

 1997年8月より2000年9月までの間に、158回の大腸内視鏡検査を行い、その内全大腸を 観察したのは154回でした。
これらのうちポリープは79例、47%にみられました。また、大腸癌は9例、5.4%でした。
9例の内訳は、進行癌が5例、早期癌が4例でした。その場で内視鏡的に切除したのは3例でいずれも治癒しました。

大腸内視鏡検査理由

 大腸内視鏡検査を行った理由として、何らかの症状によって当院を受診し検査したのは148例で、このうち癌は5例、3.4
%にみられました。 それに対し大腸癌検診の精密検査として行ったのは20例で、このうち癌は何と5例、20%にみられました。このように大腸癌発見率はかなり高くなっていますが、これは当院では全大腸をくまなく観ており、治癒可能な早期の小さな癌の多いことと関係していると思われます。
当院での大腸内視鏡検査の特徴
当院の大腸内視鏡検査の特徴は

  1. 全大腸を観察すること
  2. 苦痛無く検査を行っていること
  3. 1回の検査で治療も済ませること

です。
  苦痛無く検査を行うために、まず前日の食事制限はありません。検査当日の朝に来院していただき、診察の後に当日検査前に飲む下剤を、個室で落ち着いて服用してもらいます。もちろんトイレも気兼ね無く使用できます。
 検査時は弱い麻酔薬を用いますが、無理に大腸を延ばすことを避け、体位交換と大腸の短縮操作を行うことで痛みのほとんど無い検査が可能になりました。検査時間は大腸をくまなくみるために30分ぐらいかかりますが、ポリープや大腸早期癌があった場合、その場で切除を行うためにさらに30分ほどよけい時間を要します。
ポリープなどの切除術を行った場合も行わなかった場合も、検査後約2~3時間ほど休んでから帰宅してもらいます。帰宅後は、特に切除術を行った場合は翌日まで消化の良いものを食べてもらうことをお薦めします。

硬度可変の大腸内視鏡を導入

 さらに2011年からは、内視鏡の硬さが変わる可変型で、しかも細径の内視鏡を導入しました。しなやかさも併せ持ち、手術などで癒着のある方でもスムースに挿入ができるようになりました。拡大観察機能も持っており、診断能も向上しました。
 このように全大腸内視鏡検査は、今では苦痛のほとんどないものになりました。症状の無い方は高岡市の大腸癌検診を受け、万一要精密検査の場合は思い切って大腸内視鏡検査を受けましょう。また、痔があったり便通異常など大腸に不安のある方も大腸内視鏡検査を一度は受けることをお薦めいたします。

嚥下内視鏡検査

当院では、お食事のときにむせたり、飲み込みがうまくできない方や、誤嚥性肺炎(食べ物が誤って肺に入ってしまうことで起こる肺炎)を起こす可能性がある方に対し、 飲み込みの状態を確認するための嚥下内視鏡検査を行っております。ご家庭に訪問して行うこともできます。

嚥下内視鏡検査とは

鼻から細い内視鏡を挿入し、喉の中の飲み込みの動作を映像で確認できる検査です。 実際にお食事をしていただきながら行うため、食べ物がどのくらい噛まれているか、また唾液と混ざっているか、飲み込みがうまくできているかなどを見ることができます。 また、口腔内の汚れ具合を確認することもできます。

医師・看護師・管理栄養士がスムーズにお食事ができるように、お手伝いさせて頂きます。
嚥下内視鏡検査をご希望の方は看護師までご相談下さい。

検査料金表

内容 1割 2割 3割
血液検査 700 1,400 2,100
血糖 170 340 520
骨粗鬆症検査 150 300 450
検尿 30 60 80
超音波(エコー)胸腹部 530 1,060 1,590
超音波(エコー)その他 350 700 1,050
心電図 150 300 450

特定健診・特定保険指導について

健康保険法の改正により、平成20年4月より40~74歳の医療保険の加入者を対象として、全ての医療保険者に導入された新しい健康診断のことです。
この特定健康診査は、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシンドロームに着目した健診を行い、その該当者及び予備群を減少させるための特定保健指導を必要とする者を、的確に抽出するために行うものです。